バーの数だけいろんな酒がある

  

VAT 69 -60/70's-

VATとは「樽」の意。100個作った試作品の うち製作者が選んだものが69番目の樽であった事から付けられた名前。しっかりとした味。

From 河内屋 -楽天

-1970年代リリースもの-

灰色の髪が年相応に似合うハスキーボイスの名女優が隣に座って昔話をしてくれてるみたいな・・・ [Cask Dor]

実はこのVAT69のオールドボトルって小岩のBAR JAMで飲んだことがあった。その時までに家で親爺さんのハイボール用に4本以上買ってたまに一緒に飲んだ経験から全然期待していなかったけど、その時に飲んだオールドボトルのVAT 69は家飲み用に購入してきた現行モノとは「別物」だった。共通点探せないくらい・・・・。でCASK DORさんでも試した。で「これ」は現行モノとは「別物」だと再実感した。ブレンデッドモノによくある四十度程度の度数はあまり長い時間を経過するとかなり味も印象もどうしても弱くなると新宿のとあるバーで教えてもらったけどまさにやや弱い。でも「弱い」という表現よりも「掠れている」っていう表現の方がぴったりくるかな?そこから脳内で「昭和の戦後からバブル頃まで活躍した今では灰色の髪が上品で似合ってるハスキーボイスの女優」さんという表現が頭に浮かんだ。そして「昭和の女優さん」との「快話」は秋の夜長に懐かしいようなあったかいものを与えてくれる・・・・。そんな感じかな。

香:かなり薄まったマスカットやブランデーを思わせる香り。意識してもどんどん霧散していってしまう。

味:まろやかすぎてあっという間に舌上で6割は消えてしまうはかなさ。2割は魅惑のハスキーボイスで囁かれているような感覚を脳裏に残しつつ鼻腔内で吸収されてしまう。最後の2割が喉奥にかなり薄く広く伸ばされたワインに変態して喉奥から食道で浸潤してあっさり消えてしまう。そして隣にいた女優さんは消え去り、ブランドものの良い香りのついたスカーフがポツンと残されているような・・・。

時系列ではこっちが初VAT 69のオールドボトル [Bar Jam]

ここが時系列で最初にこの素晴らしきVAT69 オールドボトルを味合わせていただいたバー。そん時の感想は・・・

香り: 愛おしくさえ感じるマスカット系の薄いほのかな香りが鼻腔をから脳細胞に浸透して魅了する。

味: 舌上で薄いマスカット系の甘い香りと味がパットひらくけど、あまりにあっけないほど余韻すら感じさせず喉奥に届く前にどんどん蒸発していって消えてしまう。そりゃないぜ。

またお会いしましたね・・ご機嫌いかが? [Bar Jam]

香 :薄く掠れながらも美しいセクシーな香りがどんどん無慈悲霧散していく。やや高齢で粋な女性の風呂上りのすっぴんの息抜きみたいな・・・自分でも何言ってるのかよくわかんないw。たまに見せる「まだ現役だよ♪」みたいなセクシーさがいい!

味 舌上やのど奥ですこーしだけピリとくるがほぼ無抵抗でむしろ自発的に喉奥に消えていく。その過程でどんどん気化して儚く消えていくのがまたいいYo。わずかな間ながらかなり濃い快話を楽しませていただいたみたいな錯覚に陥りそうな感じ。「姐さん・・・また舞台で逢えるの楽しみにしてます!」みたいな( ´▽`)

このVAT69に興味を持ったきっかけって・・・俺のお酒のバイブルであるコミック・バーテンダーの最終巻でこの酒が出てきたからだった。それではぜひ味わってみようと思って家飲み用に何度か現行のVAT69を買ってみてかなりがっかりしたんだよね。でも・・・このバーで作品内のボトルのようなオールドボトル(雑種表記ではさすがになかったような・・・次回確認しよう!)のVAT69を飲めた時に「ああ、飲んでよかった。これは確かに最終巻を飾るにふさわしいウイスキーだ!」と思った。で、また飲めた!これ一本欲しいな・・・・。

またまたお会いしましたね [Bar Jam]

姐さん、また会いに来ちゃいました!