バーの数だけいろんな酒がある

  

マッカラン18年 [1974] Bottled in 1992

皆殺しの天使!? [Cask Dor]

この芸術のようなマッカランを飲んだ瞬間に「絶対的美」「これかこれ以外か・・・」という言葉が浮かんだ。でしばし後にこのBooze Worldに感想を書こうと思った時に何故か次の2つの映画が頭に浮かんだ。「ココ・シャネル」(2008)と「ココ・アヴァン・シャネル」(2009)。東日本大震災やコロナ禍で世界が大混乱する時代が来るなんて夢にも思わなかった頃に映画館で2つとも見たんだけど(久々にAmazonで見てみようかな?)・・・・この映画の主人公になった実在した女性は今では世界中の女性の憧れるブランドの1つであるCHANELを作った「ガブリエル・シャネル」様。この人って「皆殺しの天使」とも呼ばれる。何故か?


「それは彼女が20世紀の初めまで続いてきた女性のファッションを根本から変えることで、19世紀の女性像を世の中から消し去ってしまったことからきています。それは単に女性たちの見た目を彼女が変えただけではなく、その中身までも変貌させてしまったことで社会全体をも大きく変えてしまったからなのです。」
From 皆殺しの天使、静かに舞い降りる


さてこのマッカラン。飲んで思ったね。「なにこの圧倒的な比較も許さないような美Σ(゚д゚lll)」「絶対神!みたい存在感」「美しいシェリー酒が湧き出してくる泉みたいな感覚、やばす!」「舌上で広がるレーズン、否、熟した葡萄、とそれがとろけて自然に熟成して濃厚で高貴なワインになっちゃったみたいな・・・・芸術や!」「この終わりを惜しむような儚さは・・・もどかしい!」etc etc...。でふと考えた。「この時代のマッカランを基準にしたらもう現行マッカランも、また他の銘柄もほとんど飲めなくならないか?」と。まさに「皆殺しの天使」。それか他銘柄は別としても 「同族殺しの無慈悲な天使では?」と。そんな感想を持った一杯だった。そういえばここで12年モノ(80sリリース)飲んだ時もそれに近い感想持ったね。普通新しい世代が古い世代を殺す(壊す・超えていく)んだけどね・・逆ですね(・・;)。ただ、このようなレアなオールドボトルのマッカランって値段もすごく高いし徐々に飲める機会が減っていく事を考えると・・・「決してベンチマークにしてはいけない一杯」だと思った。これよりさらに上位互換のマッカランもあるんだよね?一杯いくらするんだろ(゚д゚?いかんいかん、忘れなきゃね( ・∇・)